涙の成分

涙の成分

涙には水分のほか、塩分や抗菌作用をもつたんぱく質などが含まれています。

またアメリカの生物科学者ウィリアム・フレイ二世の研究によると、涙には、ストレスに関連した物質やホルモンが成分含まれていることがわかりました。
「プロラクチン」「ACTH」「ロイシン-エンケファリン」の3つが代表的です。

プロラクチン

哺乳類の乳の出を促進させるホルモンです。また巣作りや授乳など、母性行動にも影響を与えます。

ACTH

ストレスを受けたときに血中濃度が上がる副腎皮質刺激ホルモンで、ストレスを感じている指標の一つとも言われます。

ロイシン-エンケファリン

脳内モルヒネ「β-エンドルフィン」の一種です。苦痛やストレスによる神経反応をやわらげて、リラックス作用があります。


フレイは、涙にはACTHのようなホルモンを排出することでストレスを軽減させ、またロイシン-エンケファリンの効果によってリラックスさせる作用があるのではないかと説きました。これを「カタルシス効果」といわれます。ただし、この説はまだ科学的に証明されたわけではありません。